半足の進歩で9秒台を目指す。陸上短距離の多田修平(24=住友電工)と10種競技の丸山優真(22=日大)が8日、「夢・授業(特別版)」で大阪市の扇町小学校を訪れて、子どもたちを指導した。

多田はオリンピック(五輪)出場に向けてスターティングブロックを半足分、せばめて練習していることを明かした。「今までなら力を伝えることができなかった。0・5足、ロスがあったことで自分の走りができなかった」。わずかな差を埋めるべく、体幹を鍛えた。その結果として武器である「ロケットスタート」を磨いた。

自己ベストは17年の10秒07、同年に追い風非公認の9秒94をマークしている。「17年から自己ベストをマークしていない。自己ベストを記録してメンタル的にポジティブに、自信を持って大会に臨みたい。(東京五輪参加標準記録の)10秒05は当然だし、9秒台を頑張って出したい」。

目標に向けた「半足」の挑戦。自身の課題も後半の失速と見極め、「後半に失速するのは力みやすいから。その改善に取り組んでいる」。追い風参考ながら9秒台をたたき出したポテンシャルは高い。五輪参加標準記録10秒05突破、「3番内に入りたい」と、今季初戦は4月末に予定の織田記念(広島)に定めている。【実藤健一】