男子100メートル予選で、前日本記録9秒97を持つサニブラウン・ハキーム(22=タンブルウィードTC)が、6組2レーンに登場した。追い風0・5メートルで10秒29の同組1着でフィニッシュした。スタートからスムーズに出て、常に先頭でレースを展開。着実な走りを見せた。各組上位3着までが自動的に進出する午後の準決勝に進んだ。

サニブラウンは23日に千葉県内で最終調整を行った。ライバルたちが会場のヤンマースタジアム長居に集う中で、独自路線を貫いた。約1年7カ月ぶりの実戦だった5月31日のレースは追い風参考3・6メートルの条件下、10秒25と不発だった。22歳はコンディションについて「まあ走ってみなきゃわからないですね。楽しんでいけたらなという感じです。日本選手権で、オリンピックがかかっている大事なところですけど、しっかりそういうところではスポーツというものを楽しんでいければ」と話していた。

日本選手権は17年に10秒05で、19年は10秒02で制している。能力の高さは折り紙付きだが、コンディションは未知数だった。

東京五輪の参加標準記録は10秒05。すでに山県、多田、小池、桐生、サニブラウンの5人が突破しており、この5人が25日の決勝で「3位以内」に入れば、代表に決定する。