男子ダブルスで世界ランキング6位の遠藤大由(33)、渡辺勇大(22=日本ユニシス)組が同1位のギデオン、スカムルヨ(インドネシア)組に2-1で勝利し、この種目で日本勢初制覇となった。女子ダブルスで世界ランキング3位の福島由紀(26)、広田彩花(25=アメリカンベイプ岐阜)組は中国ペアに2-0で勝ち、こちらも初優勝した。新型コロナウイルスの影響で、世界連盟は4月12日までのワールドツアーの中断を決めたため、日本代表は17日に帰国する。

相手の返球がアウトになるのを確認した瞬間、遠藤が両手で顔を覆い、渡辺はコートの上で大の字になった。遠藤は、16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)までペアを組んだ早川賢一と13、14、16年と決勝に進出しながら、涙をのんでいただけに「説明できないくらいうれしい」と初優勝を喜んだ。

大会前まで5連勝中の相手だったが、最近4試合は最終ゲームまでもつれる接戦だった。今大会も一進一退の攻防が続いた。第3ゲームのインターバルで遠藤は朴監督から「もっと足を動かして。集中、集中」と声をかけられ、気持ちを奮い立たせた。強打を何度も拾い続け、大歓声の会場を味方に付けて乗り切った。

11歳差のペアだ。33歳の遠藤はリオ五輪後に22歳の渡辺とペアを組み、東京五輪を目指すことを決めた。「(渡辺は)将来ある選手。1年だけというわけにはいかない」。年齢差の不安もあったが、16年全英オープンで混合ダブルスを制した渡辺の度胸に助けられたという。「(早川)賢一と組んだ経験、それに勇大の優勝経験も合わさって勝てた」と感謝した。

ペア結成4年目。今大会の結果により東京五輪選考レースで園田、嘉村組を上回り、日本人トップに浮上することが濃厚だ。渡辺は「世界1、2位のペアに勝って優勝できたのはすごく財産」と金メダルにつながる大きな優勝を手にした。

◆遠藤大由(えんどう・ひろゆき)1986年(昭61)12月16日、埼玉県生まれ。小松原高(現叡明高)-日体大。09年日本ユニシス入社。男子ダブルスで15年世界選手権3位、16年リオデジャネイロ五輪8強。172センチ、72キロ。

◆渡辺勇大(わたなべ・ゆうた)1997年(平9)6月13日生まれ、東京都出身。福島・富岡第一中から11年東日本大震災後、猪苗代中へ。富岡高卒業後、16年日本ユニシス入社。167センチ、56キロ。