柔道の世界選手権(ブダペスト)第3日から一夜明けた9日、日本代表の男女両監督がオンライン取材に応じた。

第3日は女子57キロ級が実施され、女子代表の増地克之監督(50)は初の世界女王となり東京オリンピック(五輪)カナダ代表に決まったジェシカ・クリムカイト(24)を警戒した。「日本にとって難敵。組み手も速く、どこからでも技を出せる。彼女のペースにさせないことが大事。(五輪代表の)芳田(司)とも対策を練って、何としても金メダルを取りたい」と気を引き締めた。

17年1月まで全日本柔道連盟の強化指定選手として活躍し、カナダ代表争いに敗れた19年世界女王の出口クリスタ(25=日本生命)については「声も掛けづらかった。このコロナ禍がなければ代表になれたと思うし、改めて勝負の世界の厳しさを痛感した」とおもんばかった。

男子代表の井上康生監督(43)もカナダの代表決定戦に関して言及。男子73キロ級で銅メダルを獲得した橋本壮市(29=パーク24)をサポートしていたため「全てを見ていないが」と前置きした上で、昨年12月の男子66キロ級のワンマッチを思い返して「阿部(一二三)と丸山(城志郎)もそうだったが、勝負の世界にいる以上(勝敗は)承知の上で戦っている。この先、出口選手もこの厳しい経験をぜひとも次に生かしてほしい」と再起を期待した。

出口は試合後、自身のツイッターを更新し、「スタートラインにも立てませんでした。不甲斐ないです。応援して下さった皆様本当に有難う御座いました」と心情を吐露した。