空手の東京オリンピック(五輪)代表の植草歩(28=JAL)からパワハラ被害を訴えられ、辞意を固めた全日本空手道連盟(全空連)の香川政夫選手強化委員長(65)が7日、選手に対する謝罪の気持ちなどを報道各社に書面で発表した。

香川委員長は、全空連側に前日6日に辞意を伝えたことをまず明らかにした。そして竹刀を用いた練習によって植草にけがをさせたことに関して「指導者として、細部への気遣いが及ばなかったことは申し訳なく、たいへん悔やまれるばかり」と謝罪し、悔いた。五輪本番で植草がメダルを獲得することは「いまでも私の望み」ともつづった。

全文は以下の通り。

 

 

報道関係者の皆様方へ

 

昨日4月6日、公益財団法人全日本空手道連盟(以下全空連)の選手強化委員会委員長と理事の役職を辞する意思を、全空連に伝えましたことをご報告いたします。倫理委員会の開催にあたり、関係のみなさまにご尽力いただき、空手界全体に多大な迷惑をかけ、混乱を招いた責任を痛感し、自ら早急に進退を明らかにすべきと判断しました。

 

東京オリンピックの女子組手(61キロ超級)代表内定者である植草歩選手とは、その大学生時代から共に汗を流してきました。卒業後も、おなじ目標に向かう彼女に、できうる限りの指導を行ってきました。ただ、今回問題となった竹刀を用いた稽古及びその結果について、植草選手への配慮を欠いたものがあったことに対して、指導者として、細部への気遣いが及ばなかったことは申し訳なく、たいへん悔やまれるばかりです。

4か月後のオリンピック本番で、植草選手が存分に実力を発揮して念願のメダルを手にすることは、いまでも私の望みです。どうぞ、これまで同様、植草選手を支援、応援していただきますよう、あらためてお願い申し上げます。

      香川政夫