来年への延期が決まった東京オリンピック(五輪)の出場枠について、国際オリンピック委員会(IOC)は、既に確定した枠を新日程での五輪まで維持する方針を国際競技連盟(IF)に示した。

IOCから日本オリンピック委員会(JOC)へ、27日までに報告書が届いた。IOCによると、3月中旬時点で約1万1000人の出場枠のうち57%が決定済み。出場選手は各国オリンピック委員会(NOC)の決定にゆだねられる。

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バッハ会長が、延期決定からわずか2日で動いた。IF、IOC委員、NOCとの会議で五輪延期の経緯を説明。今後に向けて、出席者から意見を募った。

焦点になったのは、新型コロナウイルス感染拡大でストップした各競技の代表選考について。バッハ会長らIOC側は「NOCに与えられた枠は確保する」という方針を示した。

IOC委員として会議に出席した日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は「各国の競技団体(NF)の選考にまで、IOCは口を出さないということ。(中断前の)世界ランキングや五輪出場ポイントなども確保するということ」と説明した。IOC側から「出場枠はOK。公平が大事でそれまでの努力を無にはしません」という報告書も届いた。出場枠を使って誰が出場するかは、NOCに委ねられ、IOCは関与しない。

代表選考は、延期に伴う変更の中で、五輪の根幹に関わる重要事項。出場枠を巡っては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各競技の五輪予選が相次いで中止や延期となったため、各IFは予選方式の再考を迫られている。