女性蔑視発言で辞任する意向を固めていた東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が12日、都内で行われた組織委の評議員、理事、幹事による合同懇談会に出席した。

4日に開いた謝罪会見以来、8日ぶりの公の場。冒頭あいさつでマイクを握ると「今日をもちまして会長を辞任いたそうと思います」と辞意を表明した。

再度の開幕まで半年を切っており、開催準備の最終局面での辞任について「不適切な発言が原因で、大変な混乱をきたしてしまいました」と謝罪し「大事なことは7月に五輪を開催することですから、私がいることで妨げになってはいけない」と理由を説明した。

その後は「職員の皆さまのことを考えると感慨無量」。14年1月の組織委発足と会長就任から回想し、会場の見直し、財政負担に関する国、都との3者合意、16年リオデジャネイロ五輪閉会式の「安倍マリオ」演出、マラソン・競歩会場の札幌移転、採火式、そして新型コロナウイルス禍による史上初の大会1年延期の思い出を振り返った。

前日11日の電話会談で国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長やジョン・コーツ調整委員長にも報告したことを明かし「ねぎらいの言葉をもらいました。私がいる限り、ご迷惑をかけるといけない」と伝えたという。

そして「本日をもちまして、会長を辞することを正式に、あらためて報告します」と再び言い、最後に「後継者の選定をどうするかは(武藤)事務総長から案内があると思います。本当に皆さん、ありがとうございました。心から、おわびと感謝を申し上げます。私は命ある限り、日本のスポーツ振興の研さんに努めていきたい」と誓って、会長としての最後のあいさつを締めくくった。