東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の新会長に選ばれた橋本聖子氏(56)が「所信表明」を行った。

18日午後4時から行われた理事会の互選で会長に選ばれ、その場でマイクを握った。女性蔑視発言で辞任した森喜朗会長(83)の後任として、大会の成功へ重責を背負うことになる。

以下は理事会での所信表明の全文。

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このたび、組織委の会長に選任されました橋本聖子でございます。たいへん大きな重責を担わせていただくことになりました。身の引き締まる思いです。

いままで国務大臣の立場で組織委のみなさまにささええていただき、改めて感謝いたします。

このたびは、大臣の離職は大変大きな決意でありましたけど、その思いをしっかりと胸に抱きながら、大会の成功に向けて尽力したい、その思い一心でこの場に立たさせていただきます。

5カ月後の東京大会は、安心、安全の開催をしなければいけない。何よりもやはり、コロナ対策が最重要課題であります。

これまで五輪相としてさまざまな団体の皆さまをサポートする立場で力を尽くさせていただきましたが、今度はいままで育てていただきましたスポーツ界、そして組織委員会の皆さまのもとへ戻ってきた私としましては、国と東京都とともに、さらに連携を太くし、国民の皆さま、海外の皆さまにも、これであれば安心、安全な大会だとだと思っていただける体制を整えていきたい。

 

このたびの私自身が会長を引き受けるという背景には、男女平等の問題があったと思っております。先般行われました組織委員会の合同懇談会で、理事会の女性の比率の向上に取り組むこと、男女平等推進するチームを立ち上げることが決定したと承知しています。これはスピード感をもってやらないといけない。今月内にしっかりとその体制を打ち出す、そして結果を出すのが重要だと思ってます。その点についてもご理解をいただきたい。

後任に大臣がなられるということで…。丸川大臣の名前が、まだですが、内定となっておりました。まだ決まったわけではありませんが、連携を密にしながら国内外のみなさまに信頼される組織委にしていかないといけないと思っております。

また東京大会の大きなビジョンとなります多様性と調和ですが、組織委全員でまずはみなでしっかり確認させていただきたい。性別、人種、障害の生む、性的指向などにかかわらず、あらゆる人を認め合い共生していく社会を作るきっかけとするレガシーを作り上げていきたい。

もう1つはこの東京大会は史上初めて経験する延期ということであります。いままで歴史的な、五輪パラリンピックで、一度も延期は経験したことがないことであります。その経験をどのように生かしていくのか。多様性も含め、新たな五輪パラリンピックの改革案も、組織委でワーキンググループも作り、IOC、IPC、そして政府に対しても、組織委としても新たな大会に向けてのビジョンを提案する力を身に付けていかなければ、東京大会の使命はないのではないかと思います。

そのためにもいままでの経験を生かしながら、会長という立場で全力で東京大会の成功に向けてまい進をしていきます。