東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの出場アスリートらに原則毎日行う新型コロナウイルスの検査について、事前合宿の受け入れや大会会場となる地方自治体での負担を懸念する声が出ていることが30日、日刊スポーツの取材で分かった。

今大会で初の正式競技となったサーフィン会場がある千葉・一宮町では、ブラジルの代表チームが7月に事前合宿を行うことが調整している。町によると今年3月にチーム側から要望があり、独自のコロナ対策など検討して準備を進めていた。

28日に発表された大会期間中の選手らの行動ルールをまとめたプレーブック第2版には、選手らへの毎日検査が盛り込まれている。政府の「受け入れマニュアル」でも、ホストタウンなどで事前合宿する際にも毎日検査を実施との記載がある。一宮町の担当者も検査態勢の整備など関係者間で現在対応を協議中だ。それでも「できることはやっていくけど、正直厳しいところもある」と本音をこぼす。

鳥取市では大会直前の7月中旬、ジャマイカ代表の陸上チームなど最大70人を受け入れる。民間機関による非行政検査で対応を検討しているが、検査結果で「陽性」が分かった場合の対応を不安視。選手らへの負担だけではなく、地域医療にも影響を及ぼしかねないと危ぶむ。

大会組織委員会は「地方会場や分宿、分村においても選手村で行うスクリーニング検査同様、組織委の監督下で実施される検査を受けていただく必要があります」と説明する。

事前合宿地などで陽性者が出た場合について、組織委は「基本的には地元の保健所及び医療機関にご対応いただくことになりますが、組織委員会に設置する感染症対策センターにおいても、受診結果や行動履歴を共有するとともに、疫学調査に関するサポートを行うなど、管轄保健所と連携する」。一方で政府担当者も「変異株も増えているので、そこは承知している。今後の状況も踏まえてしっかりと対応していく」と話していた。