東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長が7日、都内で行った定例会見で、国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長の5月中旬の来日予定について「正直申し上げて、非常に厳しいのではないか」とし、見送りされる可能性を示唆した。

バッハ氏は被爆地の広島市で聖火リレー関連の式典に出席する意向を示している。東京都などに発令中の緊急事態宣言がこの日、5月末まで延長されることが決定。橋本氏は「現在の状況では(来日について)まだ何も決まっていない」と前置きした上で「この状況をバッハ会長に見ていただくことは重要だと思っているが、緊急事態宣言が延長された場合、この期間中に、この困難な状況に来ていただくことは、大きな負担をおかけすると思っています」との見解を述べた。一方で、宣言下で世界陸連のセバスチャン・コー会長は来日中で、この日は都内で橋本氏ら五輪関係者と相次いで面会している。

橋本氏は米有力紙ワシントン・ポスト(電子版)のコラムで、バッハ氏が「ぼったくり男爵」と呼ばれたことにも言及。「何を根拠にそのような表現されているのか、理解に苦しむところがある。選手のためにと頑張っておられる会長だ」と擁護した。バッハ氏を「強いリーダーシップを取り、言葉が強い方」と評した上で「アスリートのために自分が壁になる。その上での強い表現が、そういった厳しいとらえ方になっているのでは」と推測した。