スケートボード男子ストリートの白井空良(18=ムラサキスポーツ)が11日、東京オリンピック(五輪)に向けて元気な姿を見せた。世界ランク4位のメダル候補は今年2月中旬に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。一時は五輪出場もあきらめかけたというが、延期が決まったことで4月に手術を受けた。この日相模原市内のパークで滑りもみせ「東京五輪でも勝てる気がする」と笑顔で話した。

手術後1カ月は松葉づえ生活で、ボードに乗ったのも3日前から。それでも、国内の大会は年内中止、五輪予選やプロツアーなど国際大会も再開のメドが立っていないことから「時間はたくさんあるし、焦りはないです」。新型コロナ禍による自粛期間がリハビリと重なったことで「あまり喜んではいけないけれど、ラッキーでした」と話した。

今春に光明学園相模原高を卒業し、今月からは博報堂DYスポーツマーケティングとマネジメント契約を締結。免許も取得し、車も買って、着々とスケートボードに専念する環境を整えている。多くのトップスケーターは米国など海外へ活動の拠点を移すが「英語もできないし、食事も合わない。ケガした時の不安もあるし、日本がいい」と、国内から世界を目指す。

昨年まではメディアの前で「話すの苦手。インタビュー応えたくない」とシャイな面を見せていたが、この日は質問に1つずつ丁寧に答えるなど「プロ」としても成長。「ケガは辛かったけれど、強くはなれたと思う」と自信を口にし「五輪があるかは分からないけれど、なくてもスケートボードをやめるわけではないので。やっぱり楽しいし、自分にはこれしかない」と笑顔で話していた。