スケートボードの東京オリンピック(五輪)予選対象大会が7日までに終わった。今月30日の世界ランキングの発表後に五輪代表が正式決定となるが、「パーク」、「ストリート」の2種目で日本は男女計10人が出場を確定させた。大会開幕(7月23日)時点の平均年齢は17・4歳。他競技の代表選手と比べて著しく若いが、侮るなかれ。表彰台を席巻する可能性が出てきた。

開幕時に20代はわずか2人。日本人では5人目となる夏冬五輪出場とななるパーク男子の平野歩夢(22)、ストリート男子の堀米雄斗(22)のみだ。一方、中学校に通う選手の数は3人。驚くべきことに大人より、中学生たちの方が代表選手が多いことになる。

五輪予選ランキング1位のパーク女子岡本碧優(みすぐ、14=MKグループ)、ストリート女子の五輪予選最終大会に当たる世界選手権(イタリア・ローマ)で2位に輝いた西矢椛(もみじ、13=ムラサキスポーツ)。そして、12歳10カ月と夏季五輪最年少出場を確定させているパーク女子の開心那(ここな)。いずれも上位進出、さらには表彰台のトップに上る可能性もある。

若者の関心を狙って東京大会から正式種目に採用されたスケートボードでは、五輪選考に年齢制限がない。競技者は低年齢傾向にあり、各地に普及しつつあるスケートボードパークでは親たちが熱心に子どもに技を教える光景を見るのも珍しくない。何度も転びながら愚直に難技を練習する若手スケーターたちは、未来の卵だ。

日本代表の西川隆監督は世界選手権で優勝したストリート男子の堀米、3位の白井のように幼少期から現在まで反復練習を重ねた結果が今に結びついていると指摘。「日本的な競技のやり方が世界に通用しているんじゃないか」とみる。さらなる日本全体の競技力向上を図る上で、西川監督は環境面の整備が欠かせないと語り「日本にもっと多くのパークを作れば、人がたくさん集まってくる。指導よりも環境を作れば、今後も日本全体のレベルが上がるんじゃないか」。五輪を機にさらなる競技環境の充実を期待した。

◆パークの五輪出場確定選手

女子 四十住さくら、岡本碧優、開心那

男子 平野歩夢

◆ストリートの五輪出場確定選手

女子 西村碧莉、西矢椛(もみじ)、中山楓奈

男子 堀米雄斗、白井空良、青木勇貴斗