幾多の困難を乗り越えて、ついに、56年ぶりに東京五輪の聖火が日本にやってくる。新型コロナウイルスの世界的感染拡大の中、聖火引き継ぎ式が、第1回近代五輪(1896年)会場のパナシナイコ競技場で行われた。大会組織委員会の森喜朗会長らが新型コロナウイルスの影響で渡航できない中、わずか1日で抜てきされた96年アトランタ五輪競泳代表で国連児童基金(ユニセフ)の教育専門官、井本直歩子さん(43)が日本側の代表として、聖火を受け取った。20日、航空自衛隊松島基地(宮城・東松島市)に到着する。

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現地入りを断念した組織委の森会長は、ビデオで式典に参加。式典開催に尽力したギリシャ五輪委員会やIOCなど関係者に感謝し、復興の火として被災地を巡ることも紹介。「7月24日、東京の新しい国立競技場に必ずこの聖火がともされることをお誓い申し上げます」と結んだ。04年アテネ大会で柔道五輪3連覇を果たした野村氏と同大会からレスリングで3連覇した吉田氏もビデオメッセージで引継ぎ式に参加した。