ニナー賢治(27=NTT東日本・NTT西日本)が、5人一斉スタートによる第2レースで21分05秒で1位に輝いた。タイムトライアル形式の第1レースに続きトップに立ち、完全優勝した。選考基準を満たし、五輪代表入りへ前進した。今月15日の世界シリーズ横浜大会で日本勢最高の16位に入り五輪代表をほぼ手中にしている小田倉真(27=三井住友海上)は、2レース共に5人中最下位だった。来月22日の理事会で男女五輪代表が決定する。

個人タイムトライアル形式の第1レースで1位となったニナーが、第2レースでも安定した強さを見せた。鍛え上げた自慢の脚力で五輪代表入りをほぼ確実にし、レース後には関係者と堅く握手。ほっと安堵(あんど)して、光る汗をぬぐった。

第2レースのラン開始時点では4位。ニナーは古谷純平(30三井住友海上)、佐藤錬(25=福井県スポーツ協会)を抜いて早々と2位に順位を上げ、その後は北條とデットヒートを展開。終盤に抜き去りトップに立ったが、粘るライバルがすぐ後ろから追走。なんとか振り切り、2位と1秒差でゴールした。

2週間前の世界シリーズ横浜大会ではぜんそくを発症するなど40位と振るわなかったが、国内ランキング上位5人よる最後の選考大会で実力をいかんなく発揮。今年4月に日本国籍を取得し、五輪1年延期で巡ってきた日本代表入りのチャンス。違いを見せつけ、代表切符をたぐり寄せた。

◆ニナー賢治(けんじ)1993(平5)5月26日、オーストラリア・パース出身。オーストラリア人の父と日本人の母を持つ。幼い頃からサッカーやテニスなどの多くのスポーツに打ち込み、13歳でトライアスロンを始め、18歳から競技に専念。18年からは日本連合(JTU)所属としてレースに参戦し、昨年11月には日本選手権で初優勝を果たした。今年4月には日本国籍を取得し、五輪代表入りの準備を整えた。