北海道コンサドーレ札幌FWジェイ(37)の若手への思いが伝わった。

ジェイ 若い選手にはモチベーションに変えて欲しいと思った。自分がシャドーの選手なのに、ボランチの選手がそのポジションに出ているってことを考えないと。もしかしたらミシャ(ペトロビッチ監督)に「自分が試合に出られるには、どうすればいいですか」って直接声を掛けた方が良かったかもしれない。俺ならそうすると思う。ミシャはそういうことをネガティブじゃなくて、ポジティブに捉える監督だよ。怖くないんだから。

自身は3月に右太もも裏とふくらはぎを痛めていたため、離脱中の言葉だ。戦線から離れ、チームを見つめて感じたことだった。

5月は主力にケガ人が続き、チームの布陣が変動した。4月25日磐田戦で左膝を負傷したFWアンデルソン・ロペス(25)が開幕から務めたシャドー(1・5列目)の代役に、次の試合で入ったのがMF荒野拓馬(26)だった。本職はボランチだ。ジェイは若手FW陣に危機感を持って欲しかったのだろう。

練習後、ピッチでジェイとペトロビッチ監督が話し込む姿をよく目にする。感じたことや疑問はすぐにぶつけている様子だ。監督と選手という立場を考えると、そんなに本音をぶつけて大丈夫かと心配になることもある。それでも、確かにペトロビッチ監督はジェイの言葉に真剣に向き合っている。

若手選手が経験のあるジェイのような行動をすぐに取るのは難しいだろう。しかし、ジェイが言うように、悔しさは持つべきだ。成長につなげて欲しいと、私も思う。

そんな熱いストライカーが5月25日G大阪戦から2カ月ぶりに試合に復帰した。若手FW陣はさらに練習に力を入れないと、ポジション奪取は簡単ではない。だが、そんな争いが起こることをジェイも願っているのではないか。

 

◆保坂果那(ほさか・かな)1986年(昭61)10月31日、北海道札幌市生まれ。13年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、16年11月からプロ野球日本ハム担当。17年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。