【家族の力・大勢〈2〉】「親父は働け。母親は食事を作れ。一切、他は手を出すな」

Bクラスに終わった2022年の巨人にあって、大勢投手(23)が強烈な輝きを放ちました。サイドハンドから強い直球で押し込む本格派。闘争心も申し分がなく、勝敗の矢面に立つ老舗球団の幕引き役をまっとうしました。強心臓も納得の子育て論と、タイトル通りの「家族の力」でピンチを乗り越える姿。取材後記を含めた4回連載の第2話です。

プロ野球

★前向き、ポジティブ、楽観的

巨人大勢投手(23)の母いずみさん(55)は常に前向きでポジティブで楽観的だった。

どんなピンチでも、打たれた翌日でも動じない鋼のメンタルを持つ強心臓ルーキーの成り立ちが、母の特大スケールの子育て方法に詰まっていた。

転んでもすぐに「痛かったな」とは言わない。言うと子供は「あ、今痛かったんだ」と思ってしまう。

だからまずは「大丈夫、大丈夫。早く起きよ。大層大層言わない」とあしらう。心配はその後でいい。

「失敗する前に『失敗するかも』って思ってたらしんどい。私の性格的にも思わないですね。いちいちそこで流れを止めない。突き進むだけです」と常に前向きだった。

★熱々の鍋に水ギョーザ

大勢自身も、スケールの大きな子育て方法が、現在のポジティブな鋼のメンタルに生きていると振り返る。

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