【家族の力・大勢/後記】大好きな「ばあちゃんち」が空き家に 手放したくないけど…
Bクラスに終わった2022年の巨人にあって、大勢投手(23)が強烈な輝きを放ちました。サイドハンドから強い直球で押し込む本格派。闘争心も申し分がなく、勝敗の矢面に立つ老舗球団の幕引き役をまっとうしました。強心臓も納得の子育て論と、タイトル通りの「家族の力」でピンチを乗り越える姿。4回連載の最終話、取材後記です。
プロ野球
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★兵庫・多可町での2時間半
心地よい北播磨の風が吹き抜ける。縁側の外に真っ赤なヒガンバナが咲き誇り、田んぼが一面に広がる。巨人大勢投手(23)のルーツを取材しに、兵庫・多可町を訪れた。
母いずみさん(55)に町内のある場所を案内してもらった。
そこは大勢が「ばあちゃんち」と呼ぶ“隠れ家”だった。正月はカニ鍋と豚しゃぶ、お盆はバーベキューで親戚がここに集まる。一家の仲の良さ、結びつきの強さがよくわかる。
大勢にとっても、心と体が休まる憩いの場所だった。大学時代には友人を招いて宿泊することもあった。そのときは、必ず友人を仏壇に連れて行き、一緒に手を合わせた。
「一晩、お世話になります」。おばあちゃん子の大勢なりの礼儀だった。実家以外にも気軽に帰る場所があった。