【大谷翔平を語ろう】マイク・トラウト単独インタビュー「僕は分かる」未来像/連載1

ドジャース大谷翔平投手(29)が、メジャー7年目で伝統球団のユニホームに袖を通し、スタートを切りました。エンゼルス時代の6年間で、唯一無二の二刀流選手として名実ともにメジャートップの座を築きました。挑戦を続け、道なき道を切り開いている大谷はなぜ、米国社会で歓迎され、世界中のファンから愛されるのでしょうか。1年目からともに戦い、最も間近でプレーを見てきたエンゼルスのマイク・トラウト外野手(32)が日刊スポーツのインタビューに応じ、大谷のぶれない心の強さを語りました。

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◆マイク・トラウト1991年8月7日生まれ、米ニュージャージー州出身。09年ドラフト1巡目(全体25位)でエンゼルスが指名。11年7月に19歳でデビューし、翌年ア・リーグ新人王に満票選出。12年盗塁王、14年打点王で14、16、19年MVP。球宴11度選出。40本塁打以上を3度記録。19年に、エ軍と12年総額4億2650万ドル(約554億円)の大型契約を結んだ。

「ワクワク感」

大谷が米国、そして世界中の野球ファンから愛され、応援される理由を、トラウトはシンプルに語った。

「彼がもたらしているワクワク感。ファンはそれが大好きなんだ。

彼のような大きな影響力がある人がいることで、より多くの人が野球の試合を見てくれるようになった。フィールド上で、今まで誰もやってこなかったようなことをやってくれる。何が起こるか分からないんだ。

そういうワクワク感が、人々をより一層、引きつけていると思う」

大谷自身、チャレンジすることに対する米国社会の寛容さを感じたこともあった。前例なき挑戦を続けること。トラウトはその姿を俯瞰(ふかん)して見て、率直な気持ちを明かした。

「彼に対して多大な名誉を与えるべき。それには、いろんなことが関係している。

日本人、そしてこの国の人々も、彼を好み、さまざまな方向に興味を向けていたけど、彼は自分のやるべきこと1つ、つまり野球のプレーに打ち込んでいた。

仲間の助けになり、野球の振興に貢献してくれた。試合に出て、それ(1つのことにささげる日々)を続けたからこそ、みんなが彼を受け入れるんだと思う」

何事にも惑わされず、初志貫徹。継続して意思を貫く姿勢も、人々を魅了する。そのサポート役として大きな存在だったのが、トラウト自身でもあった。

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