【みゆしょー物語〈中〉】運命のペア「組みたいです」2年越し受け取った思い

2021年12月のフィギュアスケート全日本選手権で、ペア唯一の出場を果たしたのが柚木心結(16)、市橋翔哉(24)組だった。愛称「みゆしょー」の2人が結成に至る過程では、中学生の柚木が生まれ育った北海道でペア競技に憧れを抱く一方、2019年夏にペアが解消となり、シングル選手として競技会に出場していた市橋も悩みを抱える時間が続いていた。3回連載の中編。

フィギュア

<26年五輪を目指すフィギュアペア>

「りくりゅう」三浦璃来と19年までペア

何かが、足りなかった。

2020年10月。「みゆしょー」が誕生する、およそ11カ月前のことだった。

市橋は自らの原点といえる大阪・臨海スポーツセンターで、近畿選手権に出場していた。名前は「男子シングル」に記されていた。

主戦場としてきた「ペア」から離れ、すでに1年以上が経過していた。

ショートプログラム(SP)、フリーで流したのは映画「君の名は。」の曲だった。お気に入りの曲を用い、振り付けは気心知れた吉野晃平さん。サビにはイナバウアーを入れていた。

それでも何かが、足りなかった。その答えを演技後の取材で正直に明かした。

「昨日、1人で(SPを)滑っていて『寂しいな』って思っていました。意識を自分の中で変えようと思って、今日は1人で滑っているけれど、横に誰かがいるとイメージして滑ってみました。でも(パートナーは)目に見えないし、結局『1人で滑っているんだな…』となっていました」

大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。