東京オリンピック(五輪)代表選手は特別競輪(G1、G2など)に出走できると先日、発表された。合わせて個人種目のメダリストは年末のKEIRINグランプリに出走できることも決まった。来年に迫った東京五輪を目指す選手には、励みになることは間違いない。

近年、競輪の競走体系が著しく変わった。その根源にはナショナルチームや招待外国人選手による、スピード重視のレースがある。日本でいえば脇本雄太や新田祐大、深谷知広らが出走するレースは、誰もが彼らの出足を鈍らせるため、早い段階からとてつもないスピードで動き始める。

脇本がお手上げ状態だったオールスター4日目の準決12Rは、新山響平がぶっ飛ばし、脇本は大きく離れた8番手に追いやられた。ラスト半周から10秒2、10秒8の驚異的なタイムで反撃したが4着に敗れた。脇本が弱かったのではなく、他の選手も脇本クラスの「超スピード」に、体感を繰り返し慣れてきたのだと思う。

今後もトップクラスを目指す選手は、いっそうスピードの強化に重点を置く流れになるだろう。そうなるとさらに、スピード化に拍車がかかることが予想される。これまでの競輪の概念でもあったヨコの攻防や飛び付きなどの小細工が、通用しなくなる時代が近い将来訪れる。車券戦術も、強い自力選手に後ろのマーク選手が付いていけるかの見極めが、最優先される。ライン対決ではなく「個の力勝負」がトレンドになる日も近い。