「異次元の足」「別格」「けた違い」。現行の丸亀のモンスターエンジン・64号機が評されてきた言葉だ。7月のG2全国ボートレース甲子園で毒島誠が引き当て、道中で「選手人生で一番出てるかも…」との言葉も出て、優勝を飾った。

毒島誠が64号機を駆使して丸亀G2全国ボートレース甲子園を優勝した
毒島誠が64号機を駆使して丸亀G2全国ボートレース甲子園を優勝した

実はこの64号機、最初から噴いていたわけではない。むしろ、廃棄寸前までいった。初降ろしから6節目まで、複勝率10%以下で全く結果が出なかった。早くからピストン、リング、シリンダーケース交換の大整備を施されたが、動かなかった。「A級の選手が調整しても結果が出なかったので、最終手段で前回エース機のキャリアボデーとギアケースを換えたら激変しました。人間の体でいうと、肺の部分に当たるキャリアボデーと他の部品がかみ合うことで、吸気系統の循環が格段に良くなったんだと思います。でも、ここまで変わったのは驚きです」と丸亀ボートの大川正詞整備士長も目を丸くした。

5月GWシリーズで優勝した中村晃朋は「このエンジンで優勝できなかったらどうしようと思って、夜も眠れなかった」とプレッシャーを語った。現行のエンジンは残り3カ月余り。引き当てた選手の重圧も半端ではないが、今後も64号機を引いた選手から目が離せない。