女子ボートレーサーの魅力に迫る「ビューティフル・ボートレース」。今回は、松尾怜実(21=福岡)を紹介する。同じ公営競技の競輪選手として戦う父と兄を持ち、キュートな笑顔の内に秘める勝負根性とバレーボールで鍛えた瞬発力を武器に、男女混合の厳しい世界に立ち向かう。

持ち前の勝負根性を武器にA級を目指す松尾怜実
持ち前の勝負根性を武器にA級を目指す松尾怜実

-父正人と兄勇吾が現役の競輪選手

松尾怜実(以下松尾)

私がレーサーになった時に3人で誓ったことがあるんです。私はA級(ボートレーサーの一番上の階級)にまず上がって、1つ上の兄はS級(競輪選手の一番上の階級)、そして父は現役で同時に戦うことです。兄はすでに7月からのS級が決まりました。これから頑張らなければいけないのは私と50歳の父ですね。

養成所入所式で父正人(左)とツーショット(本人提供)
養成所入所式で父正人(左)とツーショット(本人提供)

-ガールズケイリンではなく、ボートレースにぞっこん

松尾 小学校2年生の時に大阪のUSJに家族旅行で行く際のフェリーが欠航。次の連絡までに時間がたまたま空いて、若松ボートレース場にいったんです。見た瞬間に魅了されました。これだって思ったんです。小学校の文集にもボートレーサーになりたいって書きました。

-中高時代はバレーボールに熱中

松尾 身長はなかったけどスパイカーとセッターをこなしました。スパイカーとして跳躍力や瞬発力、セッターとしては全体を見る広い視野を身につけました。ボートレーサーとして、それを武器にしたいですね。

-高校を卒業して4度目の受験で合格

松尾 父が通っていたジムに行くと現役の競輪選手もいて、一緒にトレーニング方法を考えたりしてくれて本当に助かりました。父からは同じ勝負の世界で戦う上でのメンタルの面をサポートしてくれました。

-レーサー養成所時代の教官は「操縦性とレース勘が良くて、勝ち気な性格は父親譲り」と絶賛

松尾 養成所でできたことが本番のレースでは全くできなくて、今は悪戦苦闘の日々です。でも、かつての私が憧れたように、自分のレースを見て、レーサーになりたいと思ってくれるようなレースがしてみたい。

同期の内山七海(右)と大分城島高原遊園地で遊ぶ(本人提供)
同期の内山七海(右)と大分城島高原遊園地で遊ぶ(本人提供)

-厳しいレースを離れてオフは

松尾 練習グループでプロペラの勉強をしたり、トレーニング。それ以外は、同期の仲間たちと遊びに出掛けたりします。今はコロナ禍で無理ですけどね。

-趣味は食べること

松尾 レーサーとして体重は少ない方が有利なので気を使ってますが、焼き肉や甘い物が好きでついつい…。コロナが収まったら食べ歩きは行きたいですね。

同期の松本怜(左)、内山七海(右)とスイーツを楽しむ(本人提供)
同期の松本怜(左)、内山七海(右)とスイーツを楽しむ(本人提供)

-最後にボートレースの魅力とは

松尾 子供の頃から思っていたんですけど、競輪と違って男子相手に同じ舞台で戦えること。私もいつか強い男子を負かすレースをしてみたいです。

※次回は7月13日更新予定

◆松尾怜実(まつお・さとみ) 1999年(平11)10月27日、熊本市生まれ。127期生として20年11月、芦屋でデビュー。昨年の獲得賞金は54万5000円。今年は223万5000円(6月5日現在)。154センチ、47キロ、血液型AB。