瓜生正義(45=福岡)が4艇転覆という波乱の優勝戦を制した。3コースからまくり、19年7月オーシャンカップ以来、通算11度目のSG優勝。グランプリは16年以来のVとなった。


グランプリを制した瓜生正義は黄金のヘルメットをかぶり笑顔を見せる
グランプリを制した瓜生正義は黄金のヘルメットをかぶり笑顔を見せる

優勝インタビューを終えた直後の瓜生はキツネにつままれたような表情を浮かべた。「信じられない。事故レースで複雑ですが」。

アクシデントは1Mで発生したが、3コースからの強ツケマイと申し分のない勝ちっぷり。エンジンも最高の状態に仕上げて臨むことができた。


少しこわばった表情がほぐれたのは同期の盟友、原田幸哉が駆け寄ったときだった。原田が「まーくん、めちゃくちゃうれしいよ」と声をかけると、「黄金のヘルメットは小さくしてくれてるかな。前回は大きかったんでね」と笑顔をのぞかせた。


今年は心中、期するものがあった。「2021」は師匠の古賀武日児さん(引退)の登録番号でもある。「家族の支えのおかげもあるし、古賀さんに何か記念になるものを贈りたいですね」と周囲に感謝した。


5年ぶりに頂点に立った。しかし、程なくすればまた新たな戦いが始まる。「今日のことは心の片隅に置いといて心機一転、一から頑張ります」と気持ちを引き締めた。【工藤浩伸】


 
 

◆瓜生正義(うりゅう・まさよし)1976年(昭51)3月5日、福岡県飯塚市生まれ。76期生として95年5月に若松でデビュー。96年12月の平和島で初優勝。G1初優勝は98年7月の常滑周年。SG初優勝は07年6月の住之江オールスター。G1優勝20度、SGタイトルは11冠。通算優勝回数は88度。同期には原田幸哉、魚谷智之、横西奏恵(引退)らがいる。159センチ、53キロ。血液型A。