これ以上ない、最高の復活劇だ! 笠原亮(41=静岡)がインから力強く逃げ切り、約1年2カ月ぶりの復帰戦でいきなりの優勝を飾った。

歴戦の強者とはいえ、長期にわたる休み明け初戦。不安を拭えないまま迎えたファイナルだったが、頼もしきパートナー、11号機のパワーを信じた。「自分なりにいいのが行けた」というスタートはコンマ08。3コースの中村尊がコンマ01のスタートを決めたが、動ずることはなかった。「エンジンの裏付けがあったんで、しっかり走れました」。1Mを先に回ると、そのまま独走態勢を築いた。ピットに引き揚げた際は地元静岡支部のみならず、他支部の選手も祝福の拍手を持って出迎えた。

その後、優勝インタビュー。途中で「汗が目に入った」(本人談)こともあり、言葉に詰まるシーンもあったが、最後に「今はただ、走れることに感謝します」と喜びをかみしめた。

次走は12月11日から、再び地元浜名湖の水面を走る。鮮やかに復活した、令和の不死鳥伝説から今後も目が離せない。