【大上悟・オレに任せろ】

 波乱のシャイニングスター賞は、鉄の結束をさらに強くした。関東4車の先頭で風を切った武田豊樹が落車負傷。平原康多は擦過傷で左肩、左ひじなどから流血しながらも出場強行を決断してクールダウンする武田に駆け寄った。手負いの武田が開口一番「俺が前でもいいぞ」と発した一言に腹は決まった。「自分が前でやります」。以心伝心。これ以上の言葉は無用だった。

 シャイニングスター賞は準決進出の約束手形をかなぐり捨てた激闘だった。武田は赤板過ぎに6番手から仕掛けて稲川翔にブロックされ、車を下げた。番手の平原には「判断は難しかった」が最終ホームで番手から出て2角で出切った。その間に武田は浅井康太の後輪と接触して落車した。

 平原は中川誠一郎にまくられて4着に終わったが「武田さんが意地でいってくれた。何度もバックを踏んで緩める時がなかったが、長い距離を踏んでの4着は今の自分には大きな価値がある」と振り返った。

 7月に右腕を粉砕骨折して、今月3日開幕の青森G3からドクターストップを振り切って強行復帰した。復帰戦直後の精密検査で「骨は完全に接合していないが筋力トレーニングの再開を考えても」と診断された。「もうレースに復帰し、筋力トレも、がんがんやっているとは、とても言えなかった(笑い)」。平原には激闘こそが最高の良薬だ。

 準決11Rは細切れ戦で別線の自力型は山崎芳仁ら難敵だが好位奪取から盟友を連れて、まくり一撃だ。3連単は(5)=(1)から総流し。