【大上悟・オレに任せろ】

 ◆9R

 波乱のGWダービーの決勝一番乗りは、浅井康太がもぎ取る。ここまで2走は納得の走りとは言えない。2日目特選は逃げた竹内雄作の番手で援護したが、松岡貴久に内をすくわれて、園田匠の強襲や新田祐大のまくりに遭い完敗を喫した。3日目の2予は総力戦で挑んだものの最終バックで内に詰まる苦戦。直線勝負で辛うじて3着に食い込んだ。

 それでも浅井には確信がある。「セッティングや乗り方などさまざまなテストを練習でも実戦でもやってきた。その蓄積がどれだけ自分の引き出しに詰まっているかが勝負」。3月ウィナーズカップは初日特選で落車。G3優勝も逸するなど、結果だけなら流れがいいとは言えないが、休養日の4日目にセッティングの最終調整を終えて確信をさらに深めた。

 勝負の準決で前を託す深谷知広に「何も言うことはない」。GR賞を単騎で戦った深谷は自らスタートを取って「一発カマすつもりだった」。結果は別にして積極果敢な走りに不安はない。勝負どころで仕掛ければ浅井が車間を切って援護する。別線の松岡と木暮安由はまくりに構えて中団争いになりそうだ。

 後方から一気にぶっ飛んでくるのは2日目と同じく新田だ。浅井はタイミングのいいけん制で食い止めたいが、底力があるだけに、しぶとく立て直して踏み込んでくるだろう。実力両者のゴール前勝負だ。

 思い起こせば15年12月に、このバンクでKEIRINグランプリを単騎で初制覇した。最速ゴールの直後に両腕を突き上げた。「ゴールした瞬間に(優勝を)確信した。今までで最高に気持ちが良かった」。同じ舞台で歓喜のシーンを再現する。ダービー初戴冠へ向け、準決で最速ゴールだ。3連単は(1)=(3)から総流し。