立川バンク特有の寒さも強風も、脇本雄太(30=福井)は恐れなかった。

「GP史上、何人もいない逃げ切りで勝ちたかった」という思いでレースに臨むと、打鐘でスパートしてからは主役であり続けた。ゴールで佐藤慎太郎に4分の1車輪分、かわされるまでは…。

「今日のコンディションならこんなもの。歯が立たなかったわけじゃないし、またチャンスはある」。これは、決して負け惜しみではない。開催中に言い続けた「インパクトのあるレースをしたい」は遂行できた。

このままでは終わらない。来年は東京五輪で金色に輝くメダルを取って、またこの舞台に帰ってくる。