7人制といえば、ラグビーがリオ五輪で正式種目となり、注目を集めました。競輪でも7人制、つまり7車立てのレースが脚光を浴びています。

 7車立ての特徴は【1】3連単の組み合わせが、9車立ての504通りに対して210通りと少なく、的中確率が大幅にアップする【2】少人数だから展開のもつれなどによる事故(落車、失格、車体故障)も少なく、車券を買ったりレースを観戦したりする上での安心感が高い【3】ラインが組まれるレースでは、コマ切れ戦が主流で難解な9車立てよりも、買い目を絞りやすい3分戦となるケースが多い【4】実力通りの決着、低めの配当が目立つ。

 一獲千金は望みづらくても、コツコツ稼ぎたい、または点数を絞って勝負したい人には向いています。ビギナーの競輪入門にも最適でしょう。

 7車立てのラインナップは年を追うごとに充実。このほど、ワールドエボリューショントーナメント(17~19日=伊東)が加わることになりました。あらためて、それぞれを紹介しておきます。

 ◆ミッドナイト競輪 競馬・公営競技で初の深夜レースとして2011年にスタート。ナイター終了後の午後9時から11時まで行われる。経費節減のため無観客、インターネット投票限定という画期的な試みが奏功。1日の売り上げは当初の8000万円から今年1億6000万円へと倍増し、大きな利益を上げるなど今や競輪界の大黒柱にまで成長した。ラインを組む男子レースのほか、ガールズケイリンも一部の開催に組み込まれる。

 ◆ガールズケイリン 2012年、かつての女子競輪を新たなネーミングで48年ぶりに復活させた。ラインを組まない「個人競技」として確立され、ルールは国際競走に準じて競り、ブロックなどヨコの動きを厳禁。醍醐味の1つは失われたが、反面、前へ踏むことに専念するレースは、なかなかのスピード感にあふれる。トップクラスでは、男子顔負けの上がりタイムが出ることも少なくない。女子らしさを強調した、カラフルなユニホームや自転車が華やかさを演出し、今やミッドナイト競輪と並ぶ人気カテゴリー。

 ◆チャレンジレース A級3班の選手のみによる競走として、2008年から普通開催(F2)の前半5レースで行われるようになった。ラインを組み、当初は9車立てだったが、12年から7車立てに変更。ミッドナイト競輪においても開催されている。

 ◆モーニングセブン ラインが組まれる9車立ての「モーニング競輪」を、7車立てにアレンジ。今年10月から11月にかけて6開催を試行している。レース時間帯は、ミッドナイト競輪を12時間スライドさせた午前9時から11時まで。

 ◆ブロックセブン 今夏に新設された。全国7地区(北日本、関東、南関東、中部、近畿、中四国、九州)からS級選手が1人ずつ出場し、ラインを組んでの一発勝負。各地区1人しかいないため、普段は連係しない選手が並ぶことで新鮮味をアピールしている。

 ◆ケイリンエボリューション ガールズケイリンと同じく、ラインを組まず、国際ルールに準じた個人競技。2014年にスタートした。一部の開催で勝ち上がり形式(3日制)が採用されたが、ほとんどが一発勝負。ワールドエボリューショントーナメントは、初の「外国人出走+勝ち上がり形式」レースとして誕生した。

 7車立てで基本を磨いたら、9車立てへステップアップ。9車立てで行き詰まったら、7車立てへ原点回帰。上手に使い分けて、新時代の競輪を楽しんでください。