函館G3は和田健太郎選手が快勝した。これがうれしいG3初優勝。「周りの支えのおかげ」と南関の仲間に感謝していた姿が印象的だ。

G3初優勝を飾った和田健太郎選手(左)。右はキャラクターのりんりん
G3初優勝を飾った和田健太郎選手(左)。右はキャラクターのりんりん

 日本選手権(ダービー)直前の松戸F1で外国人を破って優勝して以降はダービー(決勝7着)、全プロ記念、全プロ競技大会、そして函館G3と好成績が続き、ただ今絶好調。次の高松宮記念杯が実に楽しみだ。

 さて、今シリーズ、当方の心に一番刺さったのが、同世代の大竹慎吾選手のS級特昇だった。最終日の9RにレインボーCファイナル(3着以内がS級特昇)が行われ、日野博幸選手のまくりに乗って見事に2着。52歳11カ月22日での特昇は、自身が持つ最高齢特昇記録(49歳3カ月13日=この時は3場所連続完全V)を3年8カ月余り塗り替えた。すごい!

史上最年長でS級特昇を決めた大竹慎吾
史上最年長でS級特昇を決めた大竹慎吾

 聞けば、ある先輩選手にグリップの握り方が5種類あることを教わり、その中の1つが効果抜群だったとのこと。紙面でも書いたが、その握り方をしたところ、指から足、足からペダルへと力がストレートに伝わるようになり、この年齢になって自己最高のトップスピードが出たというのだから驚きだ。

 今後はS級での戦いが始まるが、この勢いなら、西川親幸選手が持つS級最高齢優勝記録(52歳4カ月22日)更新も決して夢ではない。とはいえ本人は「僕はS級、S級と考えると体が硬くなってしまうタイプ。A級の時と同じように一戦、一戦やっていきたい」と平常心を強調。「今まで波もあったが、その時代、その時代に合わせてやってきて今がある」と言う。達観した表情は、日々あたふたと生きているだけの当方には、実にまぶしかった。頑張れ、大竹選手!【栗田文人】