競輪、楽しんでいますか?

最近、あまり更新していなかったので、取材先でのひとコマを紹介。

前橋競輪場の検車場内にある売店に座る大河原和彦
前橋競輪場の検車場内にある売店に座る大河原和彦

現在、前橋競輪場の検車場内の売店は選手が交代で“店長”を務めている。当方が取材に出向いた2月21~23日のミッドナイトではベテラン大河原和彦(52)が開催の担当だった。

ミッドの場合、午後6時ぐらいに競輪場入りし、最終レース終了後の10~15分後に閉店する。大河原は「昼間に練習して、夜はここへ。大変かって? いやいや、逆にいろいろな選手と話ができて楽しいよ。この時間に家にいたところで、どうせテレビを見ながら酒を飲んでいるだけだからね(笑)」と話していた。同選手に限らず、各“店長”とも、自身の参加中とは違って終始柔和な表情をしているのが面白い。

元自衛官の前川大輔
元自衛官の前川大輔

2月27~3月1日の松戸ナイターに出走していた113期生の前川大輔(28=福島)は元自衛官。千葉の習志野空挺(くうてい)団に約4年間所属していた。上空300メートルからのパラシュート降下を何度も経験しており「怖い? 最初は怖かったけど、すぐ慣れましたね」と平然と笑うあたり、高所恐怖症の当方から見ればとても常人とは思えない。自衛隊出身の競輪選手といえば稲垣裕之(京都)や大熊正太郎(宮城=引退)がすぐに思い浮かぶが、前川も度胸の良さは先輩たちに劣らない。この開催も予選こそ失敗したものの、2、3日目は連勝と脚力も兼備。今後の飛躍に期待したい。ちなみに、同期で同じ飯野祐太門下の井寺亮太も自衛隊出身だ。

松戸A級1、2班戦で完全Vを飾った小森貴大
松戸A級1、2班戦で完全Vを飾った小森貴大

この開催のA級1、2班戦は111期の小森貴大(29=福井)が優勝した。野球の独立リーグ・福井ミラクルエレファンツの投手として活躍し、北陸地区優勝という輝かしい実績の持ち主。166センチと小柄ながら、最速145キロのストレートを武器に「NPB(プロ野球12球団)に行けるかも、と思った瞬間もあった」と言う。予選、準決連勝で臨んだ決勝は、元S級の先行選手・酒井拳蔵の前を回り、逃げ切って2場所連続の完全V。7日からの向日町でS級特昇がかかる。あのフェニックス・市田佳寿浩さんの弟子でもあり、今後が楽しみな逸材だ。【栗田文人】