競輪、楽しんでいますか?
6日に終了した大宮競輪「日刊スポーツ新聞社杯争奪戦」は◎杉森輝大が優勝した。
- 日刊スポーツ新聞社杯争奪戦で今年初Vを決めた杉森輝大(写真は前検日)
初日特選、準決とやや仕掛けどころが悪かったが、決勝は注文通りの中団まくり一閃(いっせん)。茨城支部の層の厚さを感じさせた。おめでとう!
今開催の準決3個レースは3連単約25万円、約133万円、約13万円の大荒れ。初日特選でワンツーを決め、シリーズの両輪と目された野原雅也と東口善朋が準決11Rで共倒れするなど、想定外の連続だった。
- 初日特選を快勝した野原雅也だったが…
- 人気の東口善朋は準決で野原雅也と共倒れに終わる
- デビュー12年目で初のS級決勝進出を決めた阿部兼士
その準決を振り返ると、9Rでは阿部兼士がしぶとく3着に飛び込み、デビュー12年目にしての初のS級決勝進出。「うれしい。今回は初日、準決と流れが向いてくれました。S級は通算3期目ですが、ここまで長かったですね」と感慨深げだった。これが今後のいい弾みになるだろう。
- 準決2着後、「ケツが痛い」と顔をしかめる吉本哲郎
10Rで2着に入った吉本哲郎は、前場所広島の落車で尾骨に2本ひびが入っている。「特にレース後はケツが痛くて痛くて。ただ、痛みがあるせいか、逆に冷静にレースを見ながら走れている」とけがの功名を強調。弟子の竹内翼も成長しており、その表情から現在の充実ぶりが伝わってくる。「今年は先行だけにこだわらず、展開に応じて走るのがテーマ」とさらなる飛躍を誓っていた。
- 自転車を1から組み直してV字回復の筒井敦史
11Rで2着となった筒井敦史は前場所後に自転車を一から組み直して大宮入りし、いきなり正解を出した。「まず、今までのデータをすべて消してサラの状態にした。そこから、パワーマックス(室内用の練習器具)で出した最高値をもとに自転車のセッティングをすべてやり直したら、今回はすごく伸びた。これからはこれでいく」と目を輝かせる。今後のG1戦線でも目が離せない存在だ。
- 準決1着で3連単130万超の高配当をたたき出した島野浩司
- 「今年はビッグレースで活躍したい」と意気込む柳詰正宏
- 予選、準決と超抜の動きを見せた大塚玲
- 準決で本線を撃破し、胸を張る嶋津拓弥
その他にも10Rで大宮競輪史上4番目となる高配当の約133万をたたき出す立役者となったベテラン島野浩司、9Rで阿部拓真のまくりをきっちり止めてから鋭く追い込んだ柳詰正宏、11Rで抜群の伸びとさばきが光った大塚玲、その11Rで野原-東口の大本線を撃破した嶋津拓弥ら伏兵が、随所で存在をアピールしたシリーズだった。
- 圧倒的な内容でA級完全Vを飾った地元の黒沢征治(写真は前検日)
ちなみに、A級決勝は地元の新人、◎黒沢征治が完全V。昨年11月広島の落車で左鎖骨を骨折したが、復帰後も勝ち星を量産中。S級特昇はもちろん、近い将来に埼玉、そして関東を引っ張る存在になることは間違いない。【栗田文人】