昨年の伊東に続いて、今年は静岡でルーキーシリーズを取材しました。
自分はベテラン記者の部類に入りますが、このシリーズは駆け出し記者と条件は一緒。なんせ、データのない初対面の子が、一気に50人もやってくるわけです。
まずは名前と顔を覚えることにひと苦労。しかも、今のご時世だとマスクをしているので、よけいに見分けることが困難になります。
昨年までは髪色を派手にカラーリングした子が多かったのですが、今回取材した119期と120期(女子)の選手は、ほぼ黒髪でした。何か指導でもされたのでしょうか? プロになったのだから、どんどん自己主張していいと思います。
男子の優勝は犬伏湧也(25=徳島)でした。
前検日から堂々としていて、大物感たっぷり。逃げても強いし、まくれば、もう少しでバンクレコード。自力型が充実した中四国勢の戦力が、またアップしました。来年の今頃は、日本選手権を走っていても不思議じゃありませんね。
女子は、日に日にコンディションを上げていった内野艶和(つやか、19=福岡)が優勝。
小林優香、児玉碧衣、大久保花梨らの妹弟子で、ナショナルチームBでは中距離の選手。2日目と最終日に見せたスピード地足は、実戦でも大きな武器となるでしょう。
前評判が高かった飯田風音(かざね、19=埼玉)は重圧のせいか、少し動きが硬かった。
力ずくで仕掛けてしまっている印象で、最後の伸びを欠きました。本人は相当悔しがっていましたが、踏み出しのスピードは光るものがあり、次の地元大宮(21日から)では、やってくれるでしょう。
決勝には進めなかった選手の中から、伸びしろを感じた2人を紹介します。
男子は、このシリーズで誰よりも長い距離をもがいた梶原大地(23=福岡)です。
2日目は新村穣、窪木一茂をギリギリまで苦しめる好走で3着。日に日に先行のペースをつかんでいくのが分かりました。「先行が育たない土壌」と言われる九州ですから、大事に育ててもらいたいですね。
女子も刈込(かりこみ)奈那(20=千葉)には、徹底先行で戦っていく決意を感じました。
ガールズのレースでは、強い選手に付かれると厳しいものです。でも、高木真備だって最初からバンバン逃げ切っていたわけではありません。スタイルを貫いて逃げ切れる選手になってほしいです。【松井律】