競輪、楽しんでいますか?

先日、30日付紙面の「ガールズコレクション2022」で取り上げる122期の卒記クイーン・畠山ひすい(20=北海道)の取材のため、十数年ぶりに静岡・伊豆のサイクルスポーツセンター(CSC)に足を運んだ。晴天に恵まれたこともあって、面白い話が聞け、カメラマンもいい写真を撮ってくれた。一読いただければうれしいです。

畠山ひすいの撮影風景
畠山ひすいの撮影風景

その紙面で紹介し切れなかった話を少し。

同選手は函館競輪場が主催する「ホワイトガールズプロジェクト」から選手になったが、競輪との出会いは、まだ出身地の埼玉・川口に住んでいた小学3年。大宮競輪場で行われていた子供向けのイベントに、父が連れて行ってくれたことがきっかけだった。「何のイベントだったか全く覚えていないけど、競輪のレースを見た瞬間に“やってみたい”と思った」と言う。いわゆる、雷に打たれた、感じだったそうだ。

同期で仲良しの野寺楓(右)とツーショットに収まる畠山ひすい
同期で仲良しの野寺楓(右)とツーショットに収まる畠山ひすい

尊敬する人には大谷翔平を挙げた。本人の本を読んで「スポーツ選手としてだけでなく、人間としてすごい」と感じたとのこと。大谷は1つの目標を成し遂げるために、やるべきことを8つに分け、その1つ1つを達成するためにさらに8つに分けて努力を重ねるという。「それが組み合わされ、集約されて、今の大谷さんがある。目標の立て方がすごく参考になります」と話していた。

本格デビュー後はやや苦戦気味だが、いつか必ずガールケイリンのトップに立てる素質の持ち主。長い目で見て応援していきたい。

話は変わるが、我々競輪担当は、実は選手の練習はほとんど取材しない(開催取材、予想に追われるため)。今回当地に行ってみたところ、全く予期していなかったので少々うろたえたのだが、守沢太志、渡辺一成、高橋晋也、落合達彦、鈴木美教、野寺楓らが黙々と練習していた。彼らが当地を練習拠点にしていることは知識としては頭にあった。ただ、いざ練習風景を目の当たりにして、「選手はこうやって毎日努力した上で、レースを戦っている」ということを実感できたのは収穫だった。

バイク誘導で練習する前から鈴木美教、守沢太志、渡辺一成の豪華ライン
バイク誘導で練習する前から鈴木美教、守沢太志、渡辺一成の豪華ライン

この時会った各選手を心の中で勝手に応援していたところ、G1競輪祭で決勝進出(5着)した守沢を筆頭に、それぞれがいろいろな場面で活躍していたのはうれしかった。特に守沢にはKEIRINグランプリでも、ぜひ頑張って欲しい。【栗田文人】