競輪、楽しんでいますか?

今月5、6日に伊東競輪場で選手養成所125、126期生の卒業記念レースが行われ、125期は森田一郎(23=埼玉)、126期は仲沢春香(22=福井)が卒記チャンピオン、クイーンに輝いた。おめでとう!

125期卒記チャンピオンの森田一郎
125期卒記チャンピオンの森田一郎
126期生卒記クイーンに輝いた仲沢春香
126期生卒記クイーンに輝いた仲沢春香

間違いなく、将来の競輪界を背負っていく逸材。柄にもなく評論家気取りで言わせてもらえれば、これからも努力、精進して、新たな歴史をつくってほしい。頑張れ!

そんなルーキーの中にあって、やはりいました異色選手が。ガールズの中原恭恵(37=広島)だ。

異色の経歴を持つ126期生の中原恭恵
異色の経歴を持つ126期生の中原恭恵

中高と陸上の7種競技で活躍し、棒高跳びも好きだったという。千葉大進学後はトライアスロンに励み、地元宮島の「みやじま国際パワートライアスロン」で女子3連覇を達成したすごい実績の持ち主。スイム、バイク、ランの合計タイムで争われるトライアスロンにはミドルディスタンスなどいろいろな距離があるが、スイム約3・8キロ、バイク180キロ、ラン42キロという気の遠くなるような距離で争う「アイアンマンレース」でも日本代表にも選ばれている。

トライアスロンのバイクでコースレコードを出したことなどから自転車のナショナルチームに入り、欧州のプロチームとも契約。しかし、目指していた東京五輪出場がかなわなかったことでいったんは引退を決意したのだが…。

「どうしても、このままでは後悔すると思ったんです。そして、国内でプロスポーツ選手としてやれるのは“競輪”だと」

そこからは斎藤勝氏(53期、引退)に師事し、3回目の受験で養成所に合格した。ロードで培った地足という大きな武器がある半面、ダッシュ系など課題も多いが、常に前向きに取り組んできたことは、キラキラ輝くその目を見れば分かる。卒記も初日は6、6着だったが、最終日には2着と好走。在所も19人中12位と健闘した。

「目標は石井寛子さんです。夢はガールズGP優勝。それと…80歳まで選手を続けることです」

トライアスロンでは視覚障がい者の伴走者を務めたこともあるという。レース中の落車で大けがを負ったつらい経験もある。取材をすればまだまだ面白い話が出てきそう。126期最年長の今後の戦いにぜひ注目したい。【栗田文人】