【大上悟・狙い打ち】

 武田豊樹は10度目の日本選手権(ダービー)も「武田ブルー」の愛機とともに発走機に立つ。1コーナーを見据える視線の向こう側に6年ぶり2度目のダービーの頂点、2年連続のGP制覇が映る。

 指定席の1番車。右隣の2番車には全日本選抜を制してグランドスラムに挑む同期の山崎芳仁。「山崎には悪いけど(優勝して)楽になりたいね(笑い)」。ジョークの中に史上4人目の快挙阻止、GP連覇への野望が、垣間見えた。

 昨年8月、自粛欠場から再起戦となったサマーナイトFから心機一転。デビュー以来のオールブルーから紫ベースに純金でコイから龍に変幻する大胆な絵柄のフレームを投入し、GP初戴冠へ到達。そのフレームも封印した。

 「ギア規制に関係なく勝てるフレームを選んだ。だけど、このカラーが一番しっくりくる」。今年開幕戦の和歌山G3を武田ブルーの愛機で制した。全日本選抜の決勝も逃げた平原康多に乗り番手まくりで快勝のシナリオだった。大外一気にまくった山崎に苦杯を喫したが、ギア倍数の規制後も強さは不動だ。

 特選11Rは池田勇人の番手だ。初連係した昨年9月のオールスター2予は出場自粛から復帰した武田にとってGP出場へ勝負駆け。赤板先行の池田に乗って最終2角からまくって快勝。これがオールスターVとGP初制覇への弾みとなった。今や番手での強さや巧みさも武田の代名詞。武田ブルーが絶好の目標をリードして好発進する。

 3連単は(1)(2)、(1)(7)から総流し。