ミッドナイト競輪は今やほぼ毎晩のように行われ、ファンも増えている。

JKAはそのミッドナイトで10月から来年3月まで、競走得点上位順に1番車から選手を並べる番組編成を試行実施している。日刊スポーツは「ニッカンスポーツ・コム」で緊急読者アンケート(回答76人)。現場の声も合わせ、より分かりやすく、買いやすくする狙いがある「競走得点順の番組」を検証する。【取材・構成=山本幸史】


JKAは「分かりやすい」「当てやすい」をコンセプトに、競走得点順の番組を試行している。今回の試みについては「知っている」という回答が全体の96%。施策はほぼ認知されていた。ただし「分かりやすくなった」は26・3%にとどまり、競走得点順の番組に否定的な「元に戻してほしい」は、その倍となる53・9%にも上った。必ずしも意図した通りには受け取られていないようだ。


ミッドナイト競輪の競走得点順番組などに関するアンケート
ミッドナイト競輪の競走得点順番組などに関するアンケート

アンケート回答者は30~40代が59・2%を占め、ミッドナイト購入については「時間帯がいい」「ネットで買えて便利」の声が多かった。働き盛り世代の競輪ファンが、仕事を終え、ひと息つける時間帯に、競輪を楽しんでいる全体像が読み取れる。


ミッドナイトでよく買うレースは「チャレンジ」が約4割、次いで「ガールズ」が3割を占めた。ミッドだけにこだわらず「好きなレース」を聞いたところ、4割が「ビッグレース」と回答し、車立ても約5割が「9車立てがいい」というファンが多かった。それでも深夜は、チャレンジやガールズのような力の差があるレース、つまり、今回の試行にかかわらず「当てやすい」レースが好まれているといえる。


ミッドでは「配当が安い」という回答の多さも見逃せない。展開推理を読み解くのは競輪の1つの醍醐味(だいごみ)。約半数の「元に戻してほしい」の声には、さらに堅くするのではなく、車番のあやによる“波乱要素”つまり配当面への期待もみて取れる。


回答者全体の64%は、ミッドナイト競輪を「おもしろい」と評価している。競輪界最高のヒットともいえる「深夜の激闘」。今回の試行を「分かりやすくなった」と歓迎する声も26%あるように、新規ファン獲得には「明快さ」も必要だが、画一的な車番編成番組は改良の余地がある。