【栗田文人・車券放浪記】

◆11R・白虎賞 脇本雄太が巻き返す。初日特選でまさかの3着。3月23日の大垣ウィナーズカップ準決(2着)以来の国内敗戦に、岸和田、いや日本中がどよめいた。脇本も「見ての通り、調子は良くない」と口にした。

ただ、レースを振り返れば全く悲観する必要はない。道中は中団の太田竜馬に徹底的に警戒された上での7番手。それでも最終ホーム手前から強引に仕掛け、イエローラインの上からまくり切ったド迫力は、とてもまねできるレベルではない。それでいて着差はわずかに1/4輪+1/4輪。2着の清水裕友が「こんなに早く来るのか、と思った」という積極的なレースだったことを加味すれば「負けて強し」は誰もが感じるところだろう。

先月後半から自転車競技でロシアを転戦し、今大会は帰国から中2日。競技で使う250バンクの最大傾斜約45度と岸和田の約30度の差は大きかったはずだ。5月松戸日本選手権(ダービー)は33バンクで即応できたが、さすがに大垣以来約2カ月半ぶりの400バンクへの対応は微妙にずれたとみていい。さらに、前検日に「時差ぼけが」と口にしていたことを考えれば、体調面も日に日に上がっていくはず。「全く戦えない状態ではない。模索しながらやっていく」と目線は前を向いていた。

ダービー完全V、東京五輪金メダル候補に相手は関係ない。白虎賞こそ自分の勝てるタイミングで仕掛け、誰にもまくらせず、差させない。3連単(9)-(1)(7)-(1)(7)(2)(8)(5)。