【大上悟・オレに任せろ】

 ◆12R:日本競輪選手会理事長杯 武田豊樹が無冠からKEIRINグランプリ(GP)切符を奪取する。あの2年前と同じように、因縁の超高速バンクで。2014年-。日本競輪選手会からの脱会騒動で出場自粛の処分を受け、その後の軽減措置で8月に復帰したが、GP出場争いは終盤戦。残るG1は、このドームを舞台にしたオールスターと、競輪祭だけだった。G1制覇しかGPへの道はない。背水の陣で臨み、決勝は盟友の平原康多と別線ながら、まくりでGP切符をゲット。そして、悲願のGP制覇も果たした。

 追い詰められた時にこそ真価が問われる。無冠の今こそ、底力を発揮する時だ。「ドームバンクはいい結果が出ている。スピードが乗るので走りやすい」。同じドームバンクの小倉競輪祭も昨年、12年と2度制覇しているドームマスターだ。2場所前の共同通信社杯から投入した新車は「車の出が良く、伸びていく感触もすごくいい」と評価する。

 無風のドームは平原マークの武田に追い風が吹く。絶対スピードなら新田祐大が一枚上だが、早坂秀悟との初連係で番手回り。村上義弘を背負う脇本雄太と早坂が先行争いなら、もつれをまくる平原に乗って直線一気。近畿勢がすんなり先制しても、平原なら中団キープから好ダッシュして村上のブロックもしのぎ切る。ただ、平原に勢いをもらう武田と好位から伸びる村上のゴール前勝負も十分ある。平原との鉄の結束から武田の反攻が始まる。

 3連単(7)=(3)、(7)=(9)から総流し。