【大上悟・オレに任せろ】

 ◆12R:決勝

 初代王座に名を刻むのはこの男だ。完璧な走りで制覇したG1開幕戦の2月全日本選抜に続き、この新生G2の舞台も平原康多が席巻する。

 激闘の準決12Rも終わってみれば「平原劇場」だった。2段駆け態勢で早駆けの南関勢に対して「その位置を取ると決めていた」と3番手を奪取。同期の岩津裕介が外並走から競り込むが打鐘前でさばき切った。最終ホームで竹内雄作が後方からカマして外並走となっても、冷静に時を待つ。番手発進した郡司浩平を追走して直線一気。一撃で戦局を打開するタテの強さ、パワフルにさばくヨコの強さ。究極の自在型への進化を続ける。

 進化を加速させるために新たな体幹、筋力トレを導入して試行錯誤を続ける。「練習も大事だが、ケアはもっと大事」。3年前から宿舎に専門的な治療器具を持ち込み、競走後はセルフケアを行って万全の体調維持に努める。「体をケアする腕も、かなり上達してますよ」と笑った。

 最後の戦いは番手に盟友武田豊樹、3番手を木暮安由が固める。上位独占した全日本選抜のスタールビー賞と同じ強力態勢となった。信頼の絆で結ばれた3車結束は総力戦の平原を頂点へ押し上げる。カマすのは近畿3車か、南関2車。勝利の方程式である好位奪取から、まくり一撃。「最高の瞬間」と表現する盟友武田とのゴール前勝負を演じる。3連単は(7)=(1)から総流し。