12日に通過した台風19号の影響で、競輪場のすぐ横を流れる利根川が増水。選手の駐車場手前まで水かさが増した。今節一の高級車で参加している根田空史は、さぞかし肝を冷やしていただろうと思ったら「僕は車両保険に入っているので平気でした」と、あっけらかんとした受け答え。月々の保険代が高いから頑張らんといかんよー。

ヤマコウは準決11R、清水裕友の番手山田英明に勝機があるとみた(撮影・鈴木正人)
ヤマコウは準決11R、清水裕友の番手山田英明に勝機があるとみた(撮影・鈴木正人)

ローズCは清水裕友の勝負度胸が光った。前受けからすかさず巻き返して先行。目先の賞金争いよりタイトルを狙っているレース運びだった。3日目はその番手、山田英明を狙う。

近況の英明の成績は安定していないが「いい時もあれば悪い時もある」と、数字に関してはあまり気にしていない様子だった。彼は自力選手なので、セッティングが追い込み寄りではない。そのあたりも分かっていて「清水は(山崎)賢人と違って予測できない動きがあるので気をつけないと」と、理事長杯のレースを回顧し「後半(クランクの中心部から後輪のハブまで)を縮めて反応を良くします」とチェーンの長さを調整した。車と同じでホイールベースを短くすると、運動性能は上がる。清水対策の一環だ。

11Rは外枠になったことで攻め幅は限られてくる。自力選手を比較すると、流れに応じて先手を取る選手がそろった印象だ。渡辺一成は前を取ってからの巻き返し。渡辺雄太、柴崎淳の出来は申し分ないが、イマイチ積極性に欠ける。清水が先行勝負に出る可能性は十分ある。その時は英明に勝機が訪れる。(日刊スポーツ評論家)