9車立てのG3はこれが最後で、7月からは7車立てが始まる。

ここまで形を変えてコロナ対策をしたのだから、ちまたでうわさされる第2波、第3波が来て中止にしてしまっては意味がない。頑として乗り切ってほしいし、今回は選手たちに9車立ての奥深さを見せてほしい。

競輪創世記には12車立てもあったが、9車に落ち着いたのは意味もあろう。12車より9車の方が分かりやすいし、経費もかからない。9車でしばらく落ち着いたが、今度はラインも細分化して複雑になってきた。競輪の魅力は推理を楽しむところなのに、肝心なところが分かりづらくなってきた。それも踏まえて7車でやってみたいのだと思う。

若手選手は今の複雑なレース展開を経験不足のまま迎えているので、初手をあまり考えないケースが目立つ。ここが分かってくるとレース内容がグッと良くなる。今節でいうと追加あっせんで参加する坂井洋だ。

3月、佐世保F1で優勝し意気揚々と福井G2に参加したが、結果は散々だった。敗因は、一番厄介な相手をたたく展開に持っていくからだ。その辺りを指摘すると、3日目から驚くほどレース内容が良くなった。今節の走りが楽しみだ。

特選は、高松宮記念杯とは打って変わって、鈴木竜士が平原康多の前で戦う。「落車明けなので体調を確認したい」のと「自力を出さないと脚力が落ちる」という理由だが、前場所であれだけ追い込みでアピールしただけに、安易な先行策ではなく彼の持ち味である強気な攻めに期待する。(日刊スポーツ評論家)