日刊スポーツ杯を懸けた「ヤマコウカップ」2日目は準決3個レースがメイン。ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)はその中から、7Rの山賀雅仁をピックアップ。望月一成マークから、ただ勝つのではなくラインでの決着を期待した。

ヤマコウ(右)は準決7Rの山賀雅仁に期待を寄せた
ヤマコウ(右)は準決7Rの山賀雅仁に期待を寄せた

初日の前置きで宝満大作に触れたが、堀兼寿のカマシに離れてしまった。「押さえにいくだけで離れそうになった。でも、あたりがついたので、明日はいける」と話してくれた。「宝満君、それは願望だよ」と口から出そうだったが、グッとのみ込み「頑張れよ」とだけ声をかけてその場を後にした。2日目から良くなることを祈りつつ…。

そして、初日に取り上げた古性優作は、苦しい展開をよくしのいだ。「本当は前が欲しかったが、後ろ攻めだとああなりますよね」と、初手を大事にする彼らしいひと言だった。準決は1番車に渡辺十夢がいる上に、メンバーも軽くなるので絶対の本命だろう。

そんな中、目を引いたのは初日7Rの望月一成だ。「誰もが(バンクが)重い」と言う中で、前受けの伊藤成紀を押さえて先行。抵抗に臆することなく主導権を取った。番手の加藤圭一に差されはしたが、前場所の川崎とは別人に見えた。準決は吉田茂生との2分戦。茂生は前受けから4、5番手が欲しいだろうから、望月がどこまで粘れるか。

そこで番手の山賀雅仁が展開有利に運ぶ。「番手の仕事をきっちりこなし、後輩を育てるのも役目」と言うように、前と決めたい気持ちは強い。まくってくる選手をきっちり止めることが理想。ただ、足が余っているのにみすみす勝機を逃すのは、ファンの期待を裏切ることになる。番手の仕事をこなし、望月を決勝に残すことができれば、山賀の今後にもつながると思う。(日刊スポーツ評論家)