和歌山で新春第2弾のG3が始まる。SS班はKEIRINグランプリ（GP）で優勝して賞金王となった和田健太郎に、守沢太志、松浦悠士が参加する。健太郎は1番車の重圧をたくさん感じて走ってほしい（笑い）。

昨年のGP、本格先行は脇本雄太だけだったので、松浦、郡司浩平、新田祐大がどう戦うかが焦点だった。新田は一発狙いなので、松浦と郡司の出方に注目が集まった。前哨戦となるインタビューでは「地元なので悔いの残らないレースを」と言う郡司に対して、松浦は「自分が動かないとレースが単調になってしまう」と、暗に「脇本に張り合うのは俺だよ」と解釈できるようなコメントだった。

ヤマコウがその初戦に注目する松浦悠士

レースは新田が前受けと思いきや、意表を突いて松浦が前を取りにいった。私は「前受けしたら誰かに切られて脇本ドーン！　で終わるよ」と一瞬思った。しかし周回をよく見ると、松浦の後ろは郡司ライン。松浦は先行するかもしれないので動かない。その後ろは新田ラインなので松浦がかき乱して混戦にするかもしれない。脇本が後ろから動くまで「誰も動かない」と分かった。

松浦がそこまで考えていたかどうか分からないが、前振りから郡司、新田が翻弄（ほんろう）された形となった。松浦は清水の前となった時点で、腹をくくっていたのではないか。そこに高度な作戦（なるべく足を残して脇本ともがき合う）があって、レースの深みは松浦が一番だった。

走り始めとなる和歌山では、どんな走りを披露してくれるのだろう。（日刊スポーツ評論家）