オールスター競輪が始まる。数あるG1の中でもオールスターと日本選手権(ダービー)は別格だ。

「ダービー王こそ一番価値がある」と思う選手もいれば、小嶋敬二は「オールスターのファン投票で1位になることが1年を通してのファンの評価」と言っている。皆それぞれ価値観が違うものの、両タイトルはキングオブG1と言っていい。

ところで、九州地区が大躍進の源は、昨年、嘉永泰斗が優勝した熊本G3(in久留米)からだった。先輩の北津留翼が、嘉永の前で優勝に導いた。「後輩は黙って先輩の前で駆ける」という価値観にとらわれることなく走ったのだ。その姿は、後輩の気持ちを高ぶらせる効果があった。


ヤマコウは1予1・9Rで北津留翼のスピードに期待
ヤマコウは1予1・9Rで北津留翼のスピードに期待

私は、番手まくりばかりの競輪を良しとはしないが、どうしても勝ちたいレースならば「あり」だと思っている。それが何回も続くと興ざめしてしまうが…。

あのレース以降、嘉永に心境の変化があったのだろう。まくり主体のレースが、先行ありきの組み立てに変わった。それに引っ張られるように、初日の園田匠、荒井崇博は1予1のレースの中で競走得点1位になるまでに至った。

北津留はそこまで意識してなかっただろうが、回り回って久留米G3まで優勝した。セイちゃん(中川誠一郎)が言うように「老人会に頼りきりだった」九州が、若手の宝庫となった。

西武園は、直線が短くカントも緩いので、まくり狙いは危険だ。今の北津留なら、前受けからのカマシがベストだろう。1予1・9Rは、北津留-荒井にとって有利なメンバー構成となった。(日刊スポーツ評論家)

【ヤマコウの予想印】 ◎北津留翼 ○荒井崇博 ▲長島大介 ☆和田圭 △岩本俊介