初日のレースは、全プロ記念競輪ということもあり、激しい主導権取りに動く選手を尻目に、足をためる選手のカマシやまくりが決まった。

その中で、自ら動いて逃げ粘った犬伏湧也や菊池岳仁、町田太我、松井宏佑、嘉永泰斗は評価できる。

ヤマコウは脇本雄太と近畿別線で戦う古性優作に期待
ヤマコウは脇本雄太と近畿別線で戦う古性優作に期待

SPR賞12Rは、いつもタッグを組んでいる脇本雄太と古性優作が、別線で走ることでがぜん面白くなった。

古性はいつも後ろに付いている脇本の長所や短所を知り尽くしている。勝てる展開を聞くと「脇本さんより前にいることが大切。理想は自分より若い選手がいて番手で戦うのが理想」と口にした。

今節も20歳代の選手がいない近畿地区の喫緊の課題は、若手の成長株を育てることだ。強くなりそうな逸材はいるが、屋台骨を支えるほどインパクトがある選手はいない。

古性は勝負師なので、インタビューでも全く動じることがない。今の脇本と連結を外す決断は、かなり勇気がいることと思うが、「5番手を回る選手にチャンスはないし、一瞬で(自力と)決めました」と、意に介さなかった。脇本の前を回った別府G2ウィナーズカップ決勝のように、常に準備ができているのだろう。

レース展開は、「最終ホームで流し過ぎた」と振り返る新山響平が先手を取り、その後ろが古性ラインだろう。今の古性のトップスピードなら、33バンクということもあり、脇本より先にまくる展開だったら十分チャンスがあると思う。(日刊スポーツ評論家)