今年2回目を迎えるオールガールズクラシック、ガールズグランプリ(GGP)出場を決める大会はガールズたちの心境の変化を感じる。引退した高木真備さんのように「1年間賞金を刻むのがしんどかった」と言う選手もいれば、小林莉子のように「優勝でGGPが決まるので選手間の緊張感がすごくて疲れる」と言う選手もいる。言えることは、誰もが照準を合わせる大会はシビアということ。我々も選手はガールズだけなので、取材エリアに敏感になっている。

地元Vを目指す尾方(撮影・梅根麻紀)
地元Vを目指す尾方(撮影・梅根麻紀)

久留米のG1なので、地元選手はコメントから強気だった。その中で、尾方真生はいつものおっとりした感じが変わらなかった。「1、2月調子が良くなかったことの原因は?」の報道陣の質問に「うーん、分からない…」。「地元で結果を出したいですね?」の質問には「地元の選手みんなで頑張れたらいいな」と小さな声で答える“尾方ワールド”だった。

個別に「近況、すごくレースが見えているように見えるけど」と聞くと「年始はレースが全然見えてなかった。レース中に相手の車番を思い出せなかったり気持ちが入らなかった。GGP後の気持ちの切り替えができてなかった」と振り返る。1年間タイトルや賞金を争って、年が変われば全てが振り出しに戻る。1年頑張って、すぐまた賞金争いが始まるつらさは精神的に過酷だ。

近況の尾方の普通開催は、レース運び、仕掛けどころ共に、他の6選手より安定しているように見えた。「行く(先行)だけになってるから自分のレースがしたい」と言う尾方に期待する。(日刊スポーツ評論家)