今日はゴールデンレーサー(GR)賞が行われる。準決確定の優秀戦だが、ダービーのそれは趣きが少し違う。この大会は長丁場で参加人数が多く、勝ち上がりが厳しいので、GR賞に乗ると精神的余裕が違う。あと1着賞金が高い(253・8万円)ので選手のモチベーションも高い。

特選3つを振り返って、一番、インパクトがあったのは古性優作だった。単騎の清水裕友、嘉永泰斗は古性とバッティングしないように動き、北井佑季は古性を何度も確認しながら仕掛けられず、古性の1周カマシが決まった。振り返ると全ての選手、先行選手の北井までもが古性の出方をうかがっていた。王者は古性だった。

古性優作(左)を取材したヤマコウは、誰もが出方をうかがう「王者」の走りを期待した(撮影・柴田隆二)
古性優作(左)を取材したヤマコウは、誰もが出方をうかがう「王者」の走りを期待した(撮影・柴田隆二)

彼は、ダービー前にナショナルチームの練習に参加した。そこでかなりの発見があったようで、一から練習を見直しているという。「上がりタイムが全てじゃないと僕も思っていたけど、それを覆されました。とにかく全ての力が違った」と新しい刺激を受けたようだ。これから4年かけて同じレベルになりたいようで「太田海也たちとは年齢が違うので、向こうより時間がかかる」ことを覚悟している。

GR賞は関東勢の先手意欲が強い。ナショナルチームで刺激を受けた古性は、ヨコの動きよりタテ足で勝負しそうだ。「正直、タイトルを1つ取るなら今のままでいい。これから何個も取るならナショナルのトレーニングは必要なこと」と、他の選手の何歩も先を見据えていた。古性の天下は続きそうだ。(日刊スポーツ評論家)

【ヤマコウの印】◎古性優作 ○南修二 ▲坂井洋 ☆平原康多