【山本幸史・おヤマの大将】

◆12R・スタールビー賞 4車の近畿勢が相手でも、若手の勢いを買いたい。本命は太田竜馬に託す。

初日特選10Rの走りが「前へ、前へ」と攻める、近況の充実ぶりを物語っていた。前に出ていた吉沢純平を打鐘でたたき切って先制し、ラインでの上位独占に成功。確かに松浦のアシストはあったが、特選組では最も強い風速1・5メートルの中、逃げて勝ち上がった内容は光る。

引き揚げてくると「(自分は)先行屋じゃないんですけど」と苦笑い。それでも「気持ちが入っていたし、逃げて勝ち上がれたのは大きい」と胸をなで下ろした。番手が大先輩の小倉、そして松浦が3番手を固めた恩に報いる気持ちと、踏む距離に自信があるからこその先行策。以前のまくり主体だった太田は、今はいない。

苦手としていた冬場を克服すべく、昨夏からウエートトレーニングで肉体改造に取り組んできた。見た目は細いままだが「パワーがついてきた」と胸を張る。昨年のG2ヤングGPを制し、直前の高松でG3初優勝と今冬にしっかり結果を出してきた。この日も「バックは爆風で、風がめっちゃ強かった。前なら打鐘でいっぱいだったと思う」と笑う。誰より成長を実感しているのは太田自身だ。

このレースのヒントは前述の「僕は先行屋じゃない」だろう。三谷は近畿の先頭を自ら申し出た以上、先行して勝つことを念頭に置く。太田は先行争いを避け、得意のまくりに回る公算が大。中川を後ろに置き、快速まくりで近畿勢を乗り越えてほしい。重いバンクでこその3番手村上が連下の狙い。

3連単(2)-(6)(7)(4)(5)-(6)(7)(4)(5)(3)の16点。