ランク1位の鈴木圭一郎(22=浜松)が、連覇を達成した。2枠から好スタートを決めて、すぐに先頭を奪い、そのまま押し切った。SGは、4大会連続Vとなった今年のオールスター以来、5回目の優勝。次のターゲットはSS王座決定戦(12月31日・川口)だ。

 NO・1勝負服が舞うように飛び出す。1周1角でファイナリスト7人を従えてトップへ。木村武之にピタリとマークされたが、抵抗も5周回まで。「最初は聞こえていた」という音が、徐々に遠ざかる。10周回用に調整したエンジンは、後半にこそ威力を発揮する。独走態勢を作り、悠然と連覇のゴールに飛び込んだ。

 昨年号泣した表彰式は、同じ大歓声で迎えられた。「今年は泣かないようにしたい」と満面の笑みでファンを沸かせた。「自分を信じて乗るだけ。いつも通り緊張しないように」。絶好のスタートが切れたのは、マシンが納得のレベルに仕上がっていたからだ。準決後にオイルを換えリングを交換。「エンジンは完璧だった」。妥協を許さない調整はいつもと同じだ。

 今年は初優勝が4月中旬と遅かったが、その後は一気に加速。SGオールスターなどを制し、優勝回数は6回にもなった。「展開とかスタートとか、流れが悪かっただけ。焦るといけないので」。2年連続MVPもはっきりと視界に入った。

 「今年も圭一郎イヤーと呼べる年にしたい」と力強く宣言。昨年に続くVラッシュを、年末まで続ける決意だ。「もちろんSSも取りにいきたい」。SS王座決定戦までフルスロットルで突き進む。【天野保彦】

 ◆鈴木圭一郎(すずき・けいいちろう)1994年(平6)11月30日、東京都生まれ。浜松所属の32期生。S級1位。SG優勝は全日本選抜、日本選手権、SS王座決定戦(16年)、オールスター(17年)。通算優勝19回。1着254回。趣味は魚釣り、車。159センチ、51キロ。血液型A。