毒島誠(34=群馬)が3度目のSG制覇を決めた。2コースからイン丸岡正典を豪快にまくり、そのまま独走した。獲得したSGタイトルはいずれもナイター。ボート界の“夜王”を襲名だ。2着は吉田拡郎、3着は土屋智則が入り、丸岡は6着に敗れた。

 ボート界の“夜王”襲名だ。毒島誠にとって、13年丸亀メモリアル、17年下関チャレンジカップに次ぐ、3度目のSG制覇は、またもや、ナイターレースだった。

 2コースからのスタートはコンマ13。スリット後にじわじわ伸びると、イン丸岡正典をたたき切り、1Mは迷わずまくった。まくり差しを狙った吉田拡郎は届かず、節一パワーの田村隆信も差したが、及ばず。バックで勝負は決した。その後はゴールまで独走するのみだった。ナイターSG3冠目について、「夜の男なんですかね。最近は朝型なんですけど(笑い)」。レース直後でも、ユーモアを交えて、喜びを語った。

 準優前の決断が大きな成果を生んだ。スリット後の伸びに不満を覚え、今節2度目となるキャリアボデー交換に着手した。これが見事に当たった。準優を好ピット離れから3カドまくりで圧勝。その勢いでファイナルも力強く制した。「交換前の足なら、全く歯が立たなかったと思う」。優勝戦ではスタート練習の段階から、1枠の丸岡を圧倒していた。それほど、序盤とは見違える足に仕上げ、優勝をつかみ取った。

 これで2年連続のグランプリ出場は決定的。これまで15年の準Vが最高成績だが、整備力、勝負強さを兼ね備えた今なら、頂点も届くところにある。下半期のSG戦線でも、力強い走りで、最大の勲章をつかみにいく。【東和弘】